トロールの概念は、主に北欧神話やスカンジナビアの伝承に由来します。原初の伝承では、トロールは恐るべき巨人や超自然的な存在とされていましたが、時代とともに異なる解釈が生まれました。
1.1 北欧神話におけるトロール
北欧神話のトロールは、しばしばヨトゥン(Jötunn、巨人)と同一視されることがあります。ヨトゥンは神々と敵対する存在であり、自然の力を象徴する荒々しい存在として描かれます。トロールもまた、山や森の奥深くに住み、人間とは異なる価値観を持つ異形の者たちとされます。
- 有名なトロールまたは巨人
- フリムスル(Hrímþursar):氷の巨人の一派で、寒冷地に生息。
- スルト(Surtr):火の巨人で、ラグナロクの際に世界を焼き尽くす存在。
- トリム(Thrymr):『詩のエッダ』に登場し、雷神トールのミョルニルを奪う。
1.2 スカンジナビアの民間伝承
スカンジナビアの伝承では、トロールは人間と異なる時間の流れを持つ超自然的な存在として描かれます。一般的に以下の特徴を持っています。
- 山や森、橋の下に住む
- 太陽の光を浴びると石になる
- 人間に敵対的で、時には誘拐を行う
- 巨大で力強いが、知能は低い
また、小型のトロール(ヒルデトロール)や、美しい外見を持つトロール(ホルドラ)など、地域によって異なる種類も伝承されています。
2. トロールの身体的特徴
2.1 体格
トロールの体格は伝承やファンタジー作品ごとに異なりますが、一般的に以下のような特徴があります。
- 巨大(3~10メートル以上の個体も)
- 筋肉質で頑丈な体
- 腕が長く、足は太い
- 粗野で醜い顔つき
2.2 外見
- 大きな鼻、鋭い牙や牙状の歯
- 毛むくじゃらの体
- 岩や樹皮のような皮膚
- 爪が長く、鋭利
2.3 生理的特性
- 回復能力が高い(作品による)
- 鈍感で痛みに強い
- 知能は低いが、時に狡猾
- 昼間の活動が苦手(太陽光が弱点の場合が多い)
3. トロールの文化と社会
3.1 生息地
トロールは通常、文明から離れた自然環境に生息します。
- 山岳地帯:洞窟や岩場に住む。
- 深い森:木々の間に隠れながら生活。
- 橋の下:人間を襲うことがある(「三匹のヤギのがらがらどん」に登場する橋の下のトロールが有名)。
3.2 社会構造
- 孤独な存在:単独で行動することが多い。
- 群れを作ることもある:一部の作品では部族を形成。
- 強者が支配する:力がすべての原則。
3.3 知能と技術
- 愚鈍な怪物として描かれることが多い。
- 一部の伝承では知能が高く、魔法を使う。
- 道具を使うこともあるが、原始的。
4. トロールの能力と習性
4.1 身体能力
トロールは一般的に以下のような強大な能力を持ちます。
- 怪力:岩を持ち上げたり、木を引き抜いたりする。
- 耐久力が高い:物理攻撃に強い。
- 高い再生能力:多くの作品で特徴とされる。
4.2 魔法的な能力
一部のトロールは魔法を使います。
- 変身能力(北欧の伝承では人間の姿に化けることがある)。
- 呪いをかける。
- 自然の力を操る。
4.3 弱点
- 太陽光(浴びると石化する)。
- 火(回復能力を無効化することが多い)。
- 魔法(一部のトロールは魔法に弱い)。
5. トロールが登場する主な作品
5.1 北欧神話と民間伝承
- 『詩のエッダ』
- 『スノッリのエッダ』
- 「三匹のヤギのがらがらどん」
5.2 J.R.R.トールキンの作品
- 『ホビットの冒険』:石化するトロールが登場。
- 『指輪物語』:オークに改造された「オログ=ハイ」が登場。
5.3 ファンタジーRPG
- Dungeons & Dragons(D&D):再生能力を持つ恐ろしいクリーチャー。
- The Elder Scrollsシリーズ:三つ目のトロールが登場。
- Warcraftシリーズ:知的な部族社会を築くトロールが存在。
6. まとめ
トロールは、北欧神話やスカンジナビアの民間伝承に起源を持つ怪物であり、作品ごとに異なる姿で描かれます。
愚鈍な怪力の怪物から魔法を操る知的な種族まで、その解釈は多岐にわたります。現代のファンタジーにおいても重要な役割を担い、多くの作品で強敵やユーモラスな存在として登場し続けています。

