プレートアーマー(Plate Armor)は、金属製の板を組み合わせて作られた防具のことで、主に中世ヨーロッパで発展した重装甲の鎧です。現実世界では、15世紀ごろに騎士たちが着用し、圧倒的な防御力を誇りました。
しかし、神話や伝説においては、プレートアーマーという形式的な概念は存在しません。多くの神話がプレートアーマー登場以前の時代を舞台としているためです。
とはいえ、神話や伝説の中には、全身を覆うような魔法の鎧や、神々や英雄が纏う強力な防具が数多く登場します。これらは象徴的にプレートアーマーに近い防具として語られることもあります。
以下では、神話におけるプレートアーマーに類する防具や、それらが持つ象徴的な意味について詳しく解説します。
1. プレートアーマーの象徴的な意味
神話において、全身を覆う鎧は次のような象徴的意味を持っています。
- 神聖なる守護: 神々から授けられた鎧は、持ち主を守護し、無敵の力を与えます。
- 王権と権威: 輝く鎧は王や英雄の権力の象徴となり、敵に畏怖を与えます。
- 試練と誓い: 特別な鎧は英雄が試練を乗り越えることで手に入れられることが多く、その着用は勇気と使命の象徴です。
- 魔法と超常の力: 神話の鎧はしばしば魔法的な力を持ち、炎や雷を防ぐなどの奇跡的な効果を発揮します。
2. 神話に登場するプレートアーマーに類する防具
① アキレウスの鎧(ギリシャ神話)
- ギリシャ神話に登場する英雄アキレウスは、トロイア戦争において神々の鍛冶神ヘーパイストスが作った特別な鎧を身に着けました。
- この鎧は輝く青銅製で、胸当て、背当て、グリーヴ(すね当て)などを備えており、まさに神話的なプレートアーマーの典型です。
- アキレウスの鎧は彼を無敵の戦士へと昇華させる存在であり、彼の死後はその鎧を巡って争いが起こるほどでした。
② トールの鎧(北欧神話)
- 北欧神話の雷神トールは、巨人たちと戦う際に特殊な防具を着用していました。
- メギンギョルズ(Meginjord): 超人的な力を与える帯で、彼の力をさらに強化します。
- ヨールングレイプル(Járngreipr): 鉄製の手袋で、巨大な武器を持つ際に必要でした。
- トールの装備は全身を覆うプレートアーマーではありませんが、彼の力を象徴する防具として描かれています。
③ アーサー王の鎧(アーサー王伝説)
- アーサー王伝説では、アーサー王が魔法の剣エクスカリバーと共に神秘的な鎧を与えられたという話があります。
- 彼の鎧は全身を守る金属製の防具で、敵の攻撃を防ぎ、王の威厳を示す象徴として描かれます。
- アーサー王の鎧はしばしば魔法の加護を受けたものとして登場し、王としての正当性を強調します。
④ クー・フーリンの鎧(ケルト神話)
- ケルト神話の英雄クー・フーリンは、戦闘時に発動する特殊な状態「リ・アスター(戦士の狂乱)」に入ると、体が変異し、まるで鎧を纏ったかのように強化されます。
- 彼の肌は石のように硬化し、まさに人間の体そのものがプレートアーマーに変わるかのような描写がされています。
3. 神々の鍛冶師とプレートアーマーの関係
神話におけるプレートアーマーは、神々の鍛冶師によって作られることが多いです。
- ヘーパイストス(ギリシャ神話): オリンポスの鍛冶神で、アキレウスの鎧をはじめ、多くの神々の武具を鍛えました。
- ヴォルンド(北欧神話): ドワーフの鍛冶師で、神々や英雄のために特別な鎧を作ったとされています。
- ヴィシュワカルマン(ヒンドゥー神話): 神々のために宮殿や武具を作る存在で、神聖な防具を鍛造しました。
これらの神々が作り出した鎧は、単なる防御の道具ではなく、神聖なる力の象徴として物語の中で重要な役割を果たします。
4. まとめ
神話におけるプレートアーマーのような防具は、以下の点で重要な意味を持っています。
- 英雄の力を象徴し、戦場での無敵性を強調する。
- 神々の加護を表し、英雄の使命や正義を支える。
- 王権や権威の象徴として、持ち主の偉大さを示す。
- 試練を乗り越えた証として、英雄が得る報酬となることも多い。
神話に登場する鎧は、現実のプレートアーマーとは異なる超常的な性質を持つことが一般的であり、その力によって物語を彩る存在となっています。

