ナイトメア(Nightmare)は、ファンタジー作品や神話、伝承に登場する**「悪夢の馬」「地獄の馬」「炎を纏う魔獣」などと形容される空想上の生物です。
闇と炎に包まれ、魔族や悪しき存在が乗る邪悪な馬として描かれることが多く、特にDungeons & Dragons(D&D)やマジック・ザ・ギャザリング(MTG)**などのファンタジーゲームでは重要なクリーチャーとして登場します。
また、その起源は民間伝承の「悪夢をもたらす精霊」や「悪霊馬」の概念にも通じています。
本稿では、ナイトメアの起源、特徴、文化や習性、登場する作品ごとの違いなどについて詳しく解説します。
1. ナイトメアの起源と神話的背景
1.1 ナイトメアという名前の由来
「ナイトメア(Nightmare)」という言葉は、現代英語では**「悪夢」を意味しますが、元々は「夜(night)+メア(mare)」**であり、古い伝承に登場する「悪夢をもたらす魔物」や「夜の魔女」から来ています。
この「メア(mare)」は、古英語の「mære(悪霊)」が語源とされ、古い伝説では、夢の中に現れて人々を苦しめる魔女や精霊のことを指しました。
しかし、ファンタジー世界におけるナイトメアは、これが転じて「地獄の馬」や「悪夢を具現化した魔獣」としてのイメージを確立しました。
1.2 神話・伝承における「悪しき馬」の概念
ナイトメアの原型とされる邪悪な馬の伝承は、世界各地に見られます。
- 北欧神話:ヘルヘスト(Helhest)
- 死者の国ヘルヘイムから来るとされる三本足の馬。
- 乗る者を死の国へ連れて行く恐怖の象徴。
- ケルト神話:ドゥラハンの馬
- 首なし騎士ドゥラハンが乗る黒馬。
- 目が赤く輝き、口から炎を吐くとされる。
- スラヴ神話:チェルニー・コン(Černý kůň)
- 魔女や悪霊が召喚する邪悪な馬。
- ギリシャ神話:アポカリプスの馬
- 黒い馬や炎を纏った馬が死や災厄の象徴として描かれる。
これらの伝説が組み合わさり、ファンタジー作品における「ナイトメア」という邪悪な馬の概念が誕生しました。
2. ナイトメアの身体的特徴
ナイトメアは、作品ごとに様々なバリエーションがありますが、一般的な特徴は以下の通りです。
2.1 基本的な外見
- 黒く輝く体毛(暗闇のように深い黒、もしくは紫がかった黒)
- 炎を纏ったたてがみと尾(地獄の炎、青白い幽霊の炎など)
- 赤く輝く目(燃え盛る炎のような瞳、または深紅の光)
- 長く鋭い蹄(ひづめ)(魔法の火を宿していることが多い)
- 巨大な体(通常の馬よりも大きく、騎士が乗るとさらに迫力が増す)
2.2 生理的特徴
- 火や闇のエネルギーを発する(近づくだけで周囲の温度が上がる)
- 浮遊・飛行能力を持つ(地上を滑るように走る、または空を飛ぶ)
- 魔法への耐性が高い(普通の攻撃では傷つきにくい)
- 死霊・悪魔と繋がりが深い(地獄や魔界に属する存在)
ナイトメアは、単なる「邪悪な馬」ではなく、魔法や霊的な力を持つ特別な存在として描かれることが多いです。
3. ナイトメアの文化と習性
ナイトメアは、通常の生き物とは異なる超自然的な存在であり、特定の種族や勢力に仕えることが多いです。
3.1 生息地
ナイトメアは、主に以下のような場所に生息するとされます。
- 冥界・地獄・魔界:悪魔や死霊の王が統治する暗黒の地。
- 呪われた森や沼地:死霊が彷徨う場所。
- 廃墟や古城:邪悪な魔術師や闇の王の居城に従う。
3.2 知性と行動
- 高度な知能を持つ:普通の馬以上の知能を持ち、言葉を理解する場合もある。
- 邪悪な主に従う:悪魔、死神、魔王などが騎乗することが多い。
- 裏切ることは少ない:一度契約した主には忠実に従う。
- 魂を食らう場合も:契約者の魂を喰らうことで力を増すという設定も存在する。
4. ナイトメアが登場する主な作品
4.1 Dungeons & Dragons(D&D)
D&Dでは、ナイトメアは「地獄の馬」として有名なクリーチャーであり、多くの悪魔やリッチ(アンデッドの魔王)などが騎乗する。
- 高い魔法耐性を持つ
- 炎を吐く攻撃を持つ
- 悪魔や死霊の使者として活躍
4.2 マジック・ザ・ギャザリング(MTG)
MTGの「ナイトメア」は、しばしば「黒(闇)属性」のクリーチャーとして登場。
- ライフを吸収する能力を持つ
- 戦場に出ると相手のクリーチャーを呪縛する
4.3 ウォークラフトシリーズ(WoW)
- 「ドレッドスティード」として登場し、悪魔術師が召喚できる騎乗動物。
4.4 ファイナルファンタジーシリーズ(FF)
- 「ナイトメア」という敵モンスターが登場。
- 眠りや悪夢のステータス異常を引き起こす。
5. まとめ
ナイトメアは、「邪悪な馬」「悪夢の化身」としてファンタジー作品に登場し、悪魔や魔王の乗騎としての印象が強いクリーチャーです。
炎を纏い、闇の力を宿し、時には死者の魂を喰らう魔獣として描かれることが多く、ファンタジー世界では欠かせない存在となっています。

