**賀茂別雷命(かもわけいかづちのみこと)**は、日本神話に登場する雷神であり、特に京都の賀茂神社(上賀茂神社)の主祭神として知られています。彼の名は『古事記』や『日本書紀』には登場しませんが、『山城国風土記』の逸文などに記載されています。
神話における誕生と系譜
賀茂別雷命の誕生に関する神話は以下のように伝えられています。
1. 母:玉依媛命(たまよりひめのみこと)—賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)の娘であり、賀茂御祖神社(下鴨神社)の祭神。
2. 丹塗矢の出現:玉依媛命が賀茂川の上流で遊んでいた際、川上から赤く塗られた矢(丹塗矢)が流れてきました。
3. 懐妊と出産:玉依媛命はこの矢を持ち帰り、自身の寝床の近くに置いたところ、神秘的に懐妊し、男児を出産しました。
4. 賀茂別雷命の昇天:成長した賀茂別雷命が成人の儀式を行っていた際、祖父の賀茂建角身命が「汝の父と思わむ人に此の酒を飲ましめよ」と言ったところ、賀茂別雷命は屋根を突き抜けて天に昇っていきました。
この神話は、賀茂別雷命が神の子であることを示しています。
信仰と祭神
賀茂別雷命は、以下の神社で主祭神として祀られています。
• 上賀茂神社(京都市北区):正式名称は賀茂別雷神社であり、賀茂別雷命を主祭神としています。
• 各地の加茂神社(賀茂神社・鴨神社):全国の加茂神社でも賀茂別雷命が祀られています。
特に平安時代には、平安京の守護神として篤く崇敬され、賀茂祭(現在の葵祭)が行われるなど、京都の人々から深い信仰を集めてきました。
神格と役割
賀茂別雷命は、以下の神格や役割を持つとされています。
• 雷神:雷を司る神として、農耕に必要な雨をもたらす存在とされています。
• 治水神:川や水の流れを守護し、洪水などの災害から人々を守る神として信仰されています。
• 農業神:豊穣をもたらす神として、農業に従事する人々からの信仰が厚いです。
まとめ
賀茂別雷命は、日本神話における重要な雷神であり、特に京都の賀茂神社で深く信仰されています。彼の神話や信仰は、地域の文化や祭りにも大きな影響を与えており、現在も多くの人々から崇敬されています。

