外見・特徴
恐怖や不快感を与える小柄で醜い外見を持ち、いたずら好きで狡猾な性格。


- 小柄な体:ゴブリンの身長は平均して90センチメートルから120センチメートル程度。
- 細身またはやや痩せた体型:筋肉質な場合もあるが、骨ばった姿が多い。
- 猫背:背中が丸まっていることが多く、不気味な歩き方をすることもある。
- 大きな鼻:鷲鼻や豚のような形をした、特徴的な大きな鼻。
- 尖った耳:コウモリやエルフに似た大きく尖った耳が突き出ている。
- 鋭い歯:牙のように尖った歯がむき出しになっていることが多く恐ろしい笑顔を見せる。
- 小さな目:ぎょろぎょろと動く小さな目が特徴で不気味な光を放つ場合もある。
- 緑色または灰色の肌:くすんだ緑色や灰色の肌が一般的。
- ざらざらした肌:鱗のような質感やひび割れた土のような粗い肌も見られる。
- 傷や汚れ:戦いや悪戯による傷跡のほか、泥で汚れた外見を持つことが多い。
- 長い指:細長く鋭い爪を持つ。これで物を掴んだり武器を扱ったりする。
- 短く力強い脚:敏捷に動き回れるが人間に比べて短い足。
- ぼろぼろの服:簡素で汚れた服や布切れをまとっている。
- 原始的な装飾品:骨や木片、金属片を加工したネックレスやブレスレットを好む。
- 兜や鎧:粗末な革製の防具や手作りの鉄製品を身に着ける場合もある。
- 狡猾で邪悪な表情:不敵な笑みや目つきが彼らの性格を象徴する。
- 落ち着きのない動き:常にそわそわしており悪戯を考えているような挙動をする。
能力
- 敏捷性:ゴブリンはその小柄な体型から狭い場所や洞窟などを素早く移動することが得意。
敵の攻撃をかわしたり、隠れたりする際の敏捷性が高いとされる。 - 器用さ:ゴブリンの身体的な力は人間に劣ることが多いが、手先が器用で武器や罠を作る能力があり、細かい作業や複雑な機械の操作を得意とする場合もある。
- 基本的な武器の使用:短剣、棍棒、弓などシンプルな武器を扱うことが得意で、錆びた剣や即席の武器を使って襲撃してくることが多い。
- 数の優位を活かした戦術:ゴブリンは単体では弱いことが多く集団で襲うことで敵を圧倒する。また罠や伏兵を駆使して相手を翻弄する戦法をよく使う。
- 毒の使用:物語によっては武器や矢に毒を塗って戦うこともあり、ゴブリンが得意とする卑劣な戦術の一つとされる。
- 狡猾さ:ゴブリンは頭の回転が速く相手を罠にはめることを得意とする。直線的な力押しではなく相手の心理を利用したり、地形を活かした戦術を取ることが多い。
- 罠や仕掛けの作成:簡素ながらも効果的な罠を作り敵を捕らえる能力があり、吊り罠、落とし穴、毒の罠などを仕掛けることが多い。
- 魔法的能力:一部のゴブリンは魔法を扱うゴブリンシャーマンや呪術師といった魔法を使える個体が登場する。火球、闇の呪文、召喚術などの簡単な魔法を使うことがある。
- ゴブリン特有の呪術:呪いや悪運を振りまく力があるとされる場合もある。お守りや魔法のアイテムを作りそれを利用して敵に影響を与えることがある。
- 工学や技術の才能:ゴブリンは原始的ながらも創造力に富んでおり、即席の機械や兵器を作ることがある。カタパルト、火薬を使った爆弾、罠付きの装置など、発明家の一面を持つゴブリンもいる。作品によっては毒薬や爆薬、治癒薬などの調合を得意とするゴブリンもいるほど。
- 群れでの行動:ゴブリンは集団で行動することが多くリーダー(族長)やシャーマンが部族を統率する。部族単位での組織力が高く、敵対者に対して統制された行動を取ることもある。
- 交渉術:一部のゴブリンは言葉巧みに交渉や取引を行う能力があり、取引や契約において相手を騙すことが得意。
- 隠密行動:ゴブリンは暗闇に慣れており洞窟や森などの薄暗い環境でその能力を発揮する。気配を消して接近する能力が高く、不意打ちや奇襲を得意とする。またその小柄な体と俊敏さを活かし、敵に見つからないように行動することが可能。
- 特殊な個体の能力:ボスゴブリンやリーダー格など他のゴブリンよりも大柄で力が強く、戦闘能力も高い個体が登場することがある。これらの個体は通常、部族を率いるリーダー的な存在として描かれる。また作品によっては魔法や環境の影響で特殊な能力を持ったゴブリン(火を吐く、翼を持つなど)が登場する場合もある。
- 弱点:ゴブリンは力が弱いため装備や技術で補わないと強い相手には勝てない。またゴブリンは臆病な性格を持ち、状況が不利になると逃げ出すことがある。
- 光や火への弱さ:多くの伝承や作品ではゴブリンは強い光や火を嫌うとされている。洞窟や暗闇に生息することが多いため光に弱いという設定が一般的。
登場または関連する作品
- 『ホビットの冒険』J.R.R.トールキン:ゴブリン(オーク)は邪悪な種族として描かれている。トロルの洞窟やゴブリンの王国で主人公ビルボがゴブリンたちと遭遇する場面があり、彼らは狡猾で凶暴な敵として物語に登場する。
- 『指輪物語』J.R.R.トールキン:ゴブリンとオークはほぼ同一視され、サウロンの軍勢の一部として描かれる。彼らは闇の勢力の手先として中つ国の平和を脅かす。
- 『ハリー・ポッター』シリーズ J.K.ローリング:ゴブリンは魔法界において銀行業を営む種族として描かれている。グリンゴッツ魔法銀行のゴブリンたちは小柄で鋭い顔つきを持ち、非常に聡明で商才に長けている。特に『死の秘宝 PART2』ではハリーたちが銀行に潜入するシーンでゴブリンの知識と能力がクローズアップされる。一方でゴブリンの文化や考え方は人間とは異なり、彼らとの交流には慎重さが求められる。
- 『ラビリンス/魔王の迷宮』:ジム・ヘンソン監督によるファンタジー映画でデヴィッド・ボウイがゴブリン王ジャレスを演じている。この作品ではゴブリンたちは魔王の手下として登場し、不気味でユーモラスなキャラクターとして描かれている。
- 『ファイナルファンタジー』シリーズ:ゴブリンは様々な形で登場する。初期の作品では低レベルの敵キャラクターとして、後の作品ではより多様な能力を持つゴブリンが登場するようになる。
- 『ゴブリンの迷宮』シリーズ:ゴブリンが主人公として登場するゲームもある。プレイヤーはゴブリンを操作し冒険や戦闘を通じてゴブリンの社会を描くユニークな作品。
- 『The Elder Scrolls』シリーズ:ゴブリンは洞窟やダンジョンに生息する敵キャラクターとして登場し、彼らは部族単位で行動しそれぞれ独自の文化や装備を持っている。
- 『World of Warcraft』:ゴブリンはホード陣営の一部として登場し、爆発物や機械の発明に長けたキャラクター。コミカルな性格と高い技術力が特徴で、ゲーム内ではプレイヤーキャラクターとしても選択可能。
- 『ゴブリンスレイヤー』:ライトノベルを原作とするアニメおよび漫画で、ゴブリンは主要な敵として描かれている。この作品ではゴブリンが極めて残虐で狡猾な生物として登場し、主人公のゴブリンスレイヤーが彼らを執拗に討伐する姿が描かれる。
- 『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(D&D):テーブルトークRPGの定番であるD&Dにはゴブリンが初期から登場している。彼らは低レベルの敵としてプレイヤーに立ちはだかり、リーダー的存在やシャーマンなど様々なゴブリンの役割が用意されている。
- 『マジック:ザ・ギャザリング』:カードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング』にはゴブリンが頻繁に登場し、「ゴブリンデッキ」と呼ばれる戦術がプレイヤーの間で人気を博すこともある。ゴブリンは小型で数を頼りにする戦術が特徴。
起源と歴史
ゴブリンという言葉の語源はフランス語の「gobelin」に由来するとされ、さらにそれは中世ラテン語の「gobelinus」やギリシャ語の「kobalos(悪戯好きな精霊)」に関連があると考えられている。初期のヨーロッパ民間伝承ではゴブリンは地下や森に住む存在とされ、特に鉱山や洞窟と関連づけられることが多い。
歴史と文化への影響
イギリス
イギリスのゴブリンは特に地下の世界と結びつけられ、鉱山で働く「ノーム」や「コボルド」と混同されることがある。彼らは鉱石を見つける力を持つと信じられた。
フランス
フランスでは「ゴブラン(Gobelins)」という名前が用いられ、家屋に住み着いて家庭を助けることもある一方、家畜を驚かせるといった悪戯をすることもある。
ドイツ
ドイツでは「コボルド(Kobold)」という名前で知られ、特に家の精霊や鉱山の守護者として描かれている。
日本
日本の妖怪文化にはゴブリンに類似した存在が多く、例えば「河童」や「天狗」がその役割を担うことがある。これらの妖怪もいたずら好きで人間に害を及ぼすことがある。
ゴブリンの象徴性
ゴブリンは単なる物語上の存在ではなく、人間社会における恐怖や不安を象徴するものとも考えられる。彼らは未知のものや異質なものに対する恐れを具現化しており、その存在は社会的な規範や道徳を問い直すきっかけにもなり得る。
その他
ゴブリン文化と社会
一部の物語ではゴブリンは独自の社会や文化を持つと描かれる。彼らの社会は通常、以下のような特徴を持つ。
- ヒエラルキー:族長やシャーマンが支配する部族社会。
- 技術力:鉄器や罠の製作が得意とされる。
- 住処:洞窟や廃墟に住み、秘密の通路や隠し部屋を作ることが多い。
またゴブリン語と呼ばれる独自の言語を持つ設定もあり、独自の社会性や文化を構築する。
派生形のゴブリン
- ホブゴブリン:通常のゴブリンより大柄で力強いが同じく醜い外見を持つ。
- ゴブリンキング:ゴブリンたちの王として描かれる強力な存在。
- 洞窟ゴブリン:目が退化し灰色の肌で暗闇に適応した形態をしている。
- 水ゴブリン:ぬめりのある肌やヒレを持つ湿地や川に生息するゴブリン。
- アイスゴブリン:寒冷地に生息するゴブリン。
- デザートゴブリン:乾燥した砂漠地帯に生息するゴブリン。
- ゴブリンシャーマン:魔法を扱える特殊なゴブリン。
- ゴブリンメイジ:高度な魔法を扱う上位のゴブリン。
- ミュータントゴブリン:魔法や環境の影響で突然変異したゴブリン。
- ゴブリンアサシン:暗殺や隠密行動に特化したゴブリン。
- ゴブリンバーサーカー:狂戦士のように戦うゴブリン。
- ゴブリンライダー:動物に乗って戦うゴブリン。
- ゴブリンゾンビ:死者が蘇ってゴブリンとして動き回るアンデッド。
まとめ
ヨーロッパの民間伝承に端を発し、文学やゲームなどの現代メディアを通じて進化してきた魅力的な存在。その外見や性格、社会的役割は物語によって多種多様だが、いずれも人間の想像力を刺激する要素を持っている。ゴブリンの描写を通じて人間の恐れや希望、さらには未知の世界への憧れが映し出され、どの作品にも欠かせない存在となっている。


