ゲイザー/Gazer

1. はじめに

ゲイザー(Gazer)とは、多くのファンタジー作品に登場する架空のクリーチャーであり、巨大な目と無数の触手を持つ異形の怪物として描かれることが多い存在です。

ゲイザーは、「視線」や「目」に関連した能力を持つことが多く、敵を石化させる、催眠をかける、ビームを放つといった特殊な攻撃手段を持つことが特徴です。そのため、物理的な攻撃力よりも魔法的な能力が強調されることが多く、戦略的な敵として機能することが多いです。

本記事では、ゲイザーの起源や特徴、神話・伝承との関連、ファンタジー作品における役割、そして現代におけるゲイザーの扱われ方について、徹底的に解説していきます。

2. ゲイザーの起源と歴史

2.1 ファンタジー作品における誕生

ゲイザーという名称が一般的に知られるようになったのは、テーブルトークRPG(TRPG)やファンタジーゲームの影響が大きいとされています。特に、『ダンジョンズ&ドラゴンズ(Dungeons & Dragons, D&D)』 に登場する**ビホルダー(Beholder)**というモンスターが、ゲイザーの原型となったと考えられています。

ビホルダーとゲイザーの関係

ビホルダーは、1975年に出版されたD&Dのモンスターとして登場した、巨大な球状の体に1つの大きな目と無数の眼柄(触手のようなもの)を持つ異形の怪物です。

• ビホルダーの特徴

• 中央の巨大な目:強力な視線攻撃を放つ。

• 眼柄の小さな目:それぞれ異なる魔法攻撃が可能。

• 魔法耐性が高い:強力な呪文でも倒しにくい。

このビホルダーの「下位種」として、後に「ゲイザー」という存在が派生しました。ゲイザーはビホルダーほど強力ではなく、より小型であることが多いですが、同じような視線攻撃や浮遊能力を持つ点は共通しています。

2.2 神話・伝承との関連性

ゲイザーのような「目を武器にする怪物」は、実は古くから神話や伝説の中に登場しています。以下に、その代表的な存在を紹介します。

2.2.1 ギリシャ神話のメデューサ

• メデューサは、ギリシャ神話に登場するゴルゴン三姉妹の1人。

• 彼女の目を見た者は石化するという恐るべき能力を持つ。

• これは、ゲイザーの「視線攻撃」という能力の原型と考えられる。

2.2.2 アルゴス・パノプテース(百眼の巨人)

• ギリシャ神話には、「アルゴス・パノプテース(Argus Panoptes)」という巨人が登場する。

• 彼の体には「無数の目」があり、眠っている間もいくつかの目が開いているため、決して油断しないとされた。

• ゲイザーの「全方向に目がある」というデザインは、アルゴスの伝承に影響を受けている可能性がある。

2.2.3 目の怪物のモチーフ

世界各地の伝承には、「目が異常に発達した怪物」が登場する。例えば:

• 日本の「一つ目小僧」

• インド神話の「シヴァ神の第三の目」

• 中世ヨーロッパの「邪視(Evil Eye)」の概念

これらの伝承が、ゲイザーというクリーチャーの創造に影響を与えた可能性は高い。

3. ゲイザーの特徴

3.1 外見

• 球状の体:一般的に、浮遊する球体の形をしている。

• 1つの巨大な目:体の中央に1つの大きな目がある。

• 複数の眼柄(触手):小さな目がついた触手が生えていることが多い。

• 口と鋭い歯:場合によっては口を持ち、噛みつく攻撃を行うこともある。

3.2 能力

• 視線攻撃:

• 敵を麻痺させる。

• 敵を混乱させる。

• 魔法を無効化する。

• 浮遊能力:

• 地面に接することなく、常に浮遊している。

• そのため、物理的な罠にかかりにくい。

• 魔法耐性:

• 一部のゲイザーは、魔法の効果を受けにくい。

• 特定の呪文に対する耐性を持つこともある。

4. ゲイザーの役割

4.1 ダンジョンの番人としての役割

ゲイザーは、ファンタジー作品においては「ダンジョンのボスや中ボス」として登場することが多い。

• 罠の一部として配置されることが多い。

• 戦闘では「視線攻撃」を駆使し、プレイヤーを翻弄する。

4.2 邪悪な魔術師の使い魔

ゲイザーは、強大な魔法使いや邪悪な支配者の使い魔(ファミリア)として登場することもある。

• 魔術師の命令を忠実に実行する。

• 空を飛ぶ偵察役としても活躍する。

• 敵を威嚇するための「守護獣」として機能することもある。

5. 現代のファンタジー作品におけるゲイザー

5.1 ゲーム作品での登場

• 『ダンジョンズ&ドラゴンズ』:ビホルダーの下位種として登場。

• 『ファイナルファンタジー』シリーズ:ゲイザー系のモンスターが登場。

• 『ウィザードリィ』:浮遊する目玉モンスターが登場。

• 『ダークソウル』シリーズ:異形のクリーチャーとして登場。

5.2 映画・アニメでの登場

• 『モンスターズ・インク』:マイク・ワゾウスキはゲイザーをモチーフにしたキャラクター。

• 『ハリー・ポッター』シリーズ:ホグワーツの「動く目の肖像画」に類似点がある。

6. まとめ

ゲイザーは、古代の神話や伝承に端を発し、現代ファンタジーのモンスターとして進化してきた存在です。その特徴的なデザインと「視線攻撃」という特殊能力は、多くのゲームや映画、アニメに影響を与えており、今後も様々な形で登場し続けることでしょう。

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