クトゥルフ神話

ストーリー

1. クトゥルフ神話とは何か

クトゥルフ神話は、アメリカの作家ハワード・フィリップス・ラヴクラフト(H.P. Lovecraft, 1890–1937)が創始し、のちに彼の友人やフォロワーによって発展させられた一連の架空の神話体系です。主に怪異文学やホラーのジャンルに属し、未知の恐怖、宇宙的な存在、狂気などをテーマにしています。

  • 神話の名称:「クトゥルフ」はラヴクラフトの代表作『クトゥルフの呼び声』に登場する旧支配者クトゥルフに由来します。
  • ジャンル:コズミックホラー(宇宙的恐怖)
  • 基本概念:人類が理解できないほど強大で異質な存在が宇宙に存在し、その事実を知ること自体が狂気をもたらす。

2. 創始者ハワード・フィリップス・ラヴクラフトとその影響

ラヴクラフトの生涯

ラヴクラフトはアメリカ・ロードアイランド州プロビデンス出身の作家です。幼少期から病弱で、独学で幅広い知識を得ました。彼の作品は当初、雑誌「ウィアード・テールズ」に掲載されましたが、生前は商業的な成功を収めることはありませんでした。死後、その作品は多くの作家やクリエイターに影響を与え、現代ホラーの基盤となりました。

ラヴクラフトの哲学

ラヴクラフトの作品には「宇宙的恐怖(コズミックホラー)」の哲学が深く根付いています。

  • 人間は宇宙規模で見ると取るに足らない存在である。
  • 宇宙には人間の理解を超えた存在がいる。
  • 知識を追求することが破滅を招く場合がある。

3. 神話の世界観と特徴

クトゥルフ神話の世界観は、以下のような特徴を持っています。

1. 宇宙的恐怖

クトゥルフ神話では、地球や人類は宇宙の中で取るに足らない存在とされます。旧支配者や外なる神々のような強大な存在は、人類の認識や科学を超えた力を持ち、その存在を知ること自体が狂気をもたらします。

2. 無力な人間

人類は、これらの存在に対して全く無力です。神話の登場人物は、知識を追求したり神秘に触れることで破滅を迎えることが多いです。

3. 不条理な世界観

クトゥルフ神話では、善悪や道徳といった人間の概念が通用しません。宇宙は冷酷で、無関心です。


4. 主要な神性・存在

クトゥルフ神話には、様々な異形の存在が登場します。それらは大きく分けて以下のような分類があります。

1. 外なる神々(Outer Gods)

宇宙を超越した存在で、旧支配者よりもさらに強大です。

  • アザトース(Azathoth):無秩序と混沌の象徴。宇宙の中心で狂気の音楽を奏でる盲目の神。
  • ヨグ=ソトース(Yog-Sothoth):時間と空間のすべてを司る存在。無限の知識を持つが、その知識は危険。
  • ニャルラトホテップ(Nyarlathotep):外なる神々の使者。無数の姿を持ち、人類を惑わす。

2. 旧支配者(Great Old Ones)

地球に封印された異形の神々で、再び地上に復活することを夢見ています。

  • クトゥルフ(Cthulhu):深海に眠る巨大なタコのような頭を持つ神。狂気をもたらす存在。
  • ハスター(Hastur):名を口にすることも禁忌とされる存在。
  • ダゴン(Dagon):深きものどもの支配者で、巨大な魚人のような姿。

5. クトゥルフ神話におけるテーマと哲学

クトゥルフ神話の中心にあるテーマは、人間の小ささと無力さです。ラヴクラフトは以下のような哲学を作品に込めています。

1. 無知の安寧

人間は宇宙の真理を知るべきではなく、無知でいるほうが幸せである。知識の追求は狂気と破滅を招く。

2. 宇宙の無関心

宇宙は人間に対して無関心であり、人間の存在意義は宇宙規模では無意味とされる。


6. 重要な設定と用語

1. ネクロノミコン

クトゥルフ神話に登場する架空の魔道書で、「狂気のアラブ人」アブドゥル・アルハザードが執筆したとされます。この書物には禁忌の知識や呪文が記されており、触れたものは破滅を迎えるとされています。

2. ラヴクラフト・カントリー

ラヴクラフトが好んで舞台とした架空の地名群。プロビデンスやアルカムといった地名が登場します。


7. クトゥルフ神話の物語と代表作品

代表作一覧

  • 『クトゥルフの呼び声』(The Call of Cthulhu)
  • 『ダニッチの怪』(The Dunwich Horror)
  • 『狂気の山脈にて』(At the Mountains of Madness)
  • 『インスマスの影』(The Shadow Over Innsmouth)

8. クトゥルフ神話の拡張と他作家の貢献

ラヴクラフトの没後、多くの作家が彼の神話体系を拡張しました。

  • オーガスト・ダーレス:ラヴクラフトの友人で、善悪の二元論的要素を神話に加えた。
  • クラーク・アシュトン・スミスロバート・E・ハワードなどの作家も神話体系に寄与。

9. クトゥルフ神話が与えた影響(文学・映画・ゲームなど)

クトゥルフ神話は、ホラー小説だけでなく映画、ゲーム、テーブルトークRPG(TRPG)など多岐にわたるメディアに影響を与えました。

  • 映画:『遊星からの物体X』『イン・ザ・マウス・オブ・マッドネス』
  • ゲーム:『Call of Cthulhu』『Bloodborne』『ダークソウル』
  • 小説・アニメ:『這い寄れ!ニャル子さん』逢空万太(あいそら まんた)によるライトノベル作品で、後にアニメ化もされた人気シリーズ。クトゥルフ神話をベースにしたパロディ要素が多く含まれており、ラブコメとSF・ホラーが融合した作品になっている。

10. まとめと神話の魅力

クトゥルフ神話は、人間の理解を超えた存在や世界観を通じて、未知への恐怖を描いた独自のホラー体系です。その深遠なテーマと独特のスタイルは、今なお多くのクリエイターにインスピレーションを与えています。

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