ベリト(Berith, Beal, Bofry, Bolfri)とは、ソロモン72柱に名を連ねる悪魔の一柱であり、『レメゲトン』の第一部「ゴエティア」に記載されています。彼は悪魔学や西洋魔術において非常に重要な存在とされ、古代から多くの魔術師に召喚されてきました。
基本情報
- 名前:ベリト(Berith)
- 別名:ビフリ(Bofry)、ボフリ(Bolfri)、ベアル(Beal)など
- 位階:公爵(Duke)
- 序列:28番目
- 支配する軍団:26の軍団を統率
- 出現の姿:赤い衣をまとった騎士、黄金の冠をかぶった姿
名前の由来
「ベリト」という名は、契約や誓約を意味するヘブライ語の「Berith(בְּרִית)」に由来します。
- Berith:旧約聖書において神とイスラエルの民との間の契約を指します。
- 悪魔化した解釈:契約を破る存在や、悪しき誓約を交わす者として、ベリトの名が転用されたと考えられています。
また、ベリトは「誓約の守護者」として、真実と偽りを見分ける力を持つとも伝えられています。
姿の描写
ベリトはしばしば赤い衣をまとった騎士の姿で現れるとされています。
- 黄金の冠をかぶっており、王者の威厳を漂わせる姿
- 赤い馬に乗って現れることが多い
- 血のような赤い服は、契約や誓約の象徴と解釈されます
ベリトの姿は、権力や支配を象徴し、彼の位階と力の大きさを示しています。
能力と役割
ベリトの能力は、主に以下の4つに分類されます。
1. 未来予知と真実の啓示
- ベリトは召喚者に対して、過去・現在・未来に関する真実を明かします。
- ただし、彼はしばしば嘘をつくことで知られており、召喚者の技量が試される場面もあります。
2. 契約の仲介者
- ベリトは契約や誓約に関する特別な力を持っています。
- 召喚者の望む契約を成就させるための助力を行う一方で、悪しき契約を結ばせることもあります。
3. 地位と権力の付与
- ベリトを召喚することで、召喚者は権力や名声を得られると言われています。
- 政治的・社会的な成功を望む者にとって重要な存在です。
4. 金属の変成
- 錬金術に精通し、金属を黄金に変える力を持つとされています。
- そのため、錬金術師からの崇拝も受けていました。
召喚と儀式
ベリトを召喚する際は、特定の護符や印章を用いて安全を確保しながら儀式を行います。
召喚時の注意点
- ベリトは嘘をつくことが多いため、召喚者は細心の注意を払う必要があります。
- 召喚者が強い意志と知識を持っていなければ、簡単に騙される可能性があります。
護符と印章
ベリトの召喚には、彼の**シジル(印章)**が用いられます。これは魔術師の精神的・物理的な護衛として機能します。
関連する神話・伝承
ベリトは、フェニキア神話に登場する女神バアルベリトと関連付けられることがあります。
- バアルベリト(Baal-Berith):契約や誓約を司る神であり、のちに悪魔化されたとされています。
- キリスト教の影響下では、彼の神性が否定され、悪魔として扱われるようになりました。
また、ベリトは悪魔学において、しばしば地獄の財務官とも称されることがあります。これは彼の契約の力と、富や権力を操る能力に由来します。
文化的影響
ベリトは西洋文化やフィクションにも影響を与えています。
- 文学:ジョン・ミルトンの『失楽園』やゲーテの『ファウスト』では、悪魔の化身として類似した存在が登場します。
- 映画やゲーム:『悪魔城ドラキュラ』や『女神転生』シリーズなど、ファンタジー作品においてもベリトは重要な存在です。
- オカルト関連書籍:現代の魔術書や悪魔学書でもベリトは頻繁に言及されています。
まとめ
ベリトは、
- 契約と誓約の守護者
- 未来予知と真実の啓示の能力を持つ存在
- 権力と富の象徴として崇拝された悪魔
- 嘘をつく悪魔として召喚者を試す存在
彼は、慎重に扱わなければならない危険な存在でありながら、知恵や成功をもたらす強力な力を秘めています。

