ベディヴィア(Bedivere)は、アーサー王伝説に登場する円卓の騎士の一人であり、アーサー王に最後まで仕えた忠実な騎士として知られています。彼の最も象徴的な役割は、アーサー王の剣「エクスカリバー」を湖に返す任務にあります。
◆ 基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | ベディヴィア(Bedivere)/ベディウェア(Bedwyr:ウェールズ語) |
| 所属 | 円卓の騎士 |
| 代表的な役割 | アーサー王の忠臣、エクスカリバーの返還、戦後の生存者 |
| 特徴 | 忠誠心、誠実、勇気、義務感 |
◆ 起源と初期の伝承
ベディヴィアの名前は、ケルト神話やウェールズ神話に由来する古い伝承に登場します。
- ウェールズ伝承では「ベディウェア(Bedwyr)」として知られ、アーサーの右腕として活躍。
- 中世のフランスやイギリスのアーサー王物語の中では、片腕を失った戦士ともされることがある。
- 物語によっては、彼はアーサーの従兄弟や側近ともされるなど、王に最も近い位置にいる忠臣。
◆ エクスカリバー返還の伝説
ベディヴィアの最も有名な役割は、アーサー王の命によってエクスカリバーを湖へ返す場面です。
◉ 物語の概要
- カムランの戦いでアーサー王は重傷を負い、死を悟る。
- 王は忠臣ベディヴィアに「エクスカリバーを湖に投げ入れよ」と命じる。
- しかしベディヴィアは、その剣の価値を惜しみ、最初は2度まで偽りの報告をする。
- 3度目にしてようやく湖に剣を投げ込むと、湖の乙女(レディ・オブ・ザ・レイク)の腕が水面から現れ、剣を受け取るという神秘的な光景を目撃。
- ベディヴィアは王の元に戻り、王は満足し、アヴァロンへ旅立つ。
◉ この場面の象徴性
| 要素 | 意味・象徴 |
|---|---|
| エクスカリバー | 王権・神聖な力・アーサー王の宿命 |
| 湖への返還 | 王の死と神話の終焉、再生の予兆 |
| ベディヴィアの葛藤 | 人間の欲と忠誠の間の苦悩、試練と成長 |
| 3度目の正直 | 従者としての成就、忠義の完成 |
◆ ベディヴィアのその後
アーサー王がアヴァロンに旅立った後、ベディヴィアの運命には複数の伝承があります。
- 修道士となって余生を過ごしたとする説。
- 戦場に散った騎士たちの墓を守り続けたとするものもあります。
- トマス・マロリーの『アーサー王の死』では、戦後に唯一生き残った円卓の騎士の一人として描かれます。
◆ 他の騎士たちとの比較
| 騎士 | 特徴・役割 |
|---|---|
| ランスロット | 最強の武勇を誇るが、道徳的に堕落 |
| ガラハッド | 完全無垢な聖杯騎士、神に選ばれた存在 |
| パーシヴァル | 無垢から成長する騎士、人間味が強い |
| ベディヴィア | 忠誠の象徴、王の最後の側近として霊的遺産を継承 |
◆ ベディヴィアの象徴性
| 象徴 | 解説 |
|---|---|
| 忠誠 | 王の最後の命に従い、剣を返すという重大な責務を果たす |
| 葛藤と克服 | 剣の返還を拒むが、最終的に正義を選び、魂の成長を見せる |
| 終わりと継承 | アーサー王伝説の終幕を見届け、新たな時代への橋渡しを担う |
◆ 現代文化への影響
- 小説・映画・ゲームなどで、「忠義の従者」や「最後の騎士」として描かれる。
- 『Fate』シリーズやRPGなどでは、「王に仕えた最期の騎士」としてキャラクター化される。
- 湖に剣を投げ入れる場面は、アーサー王伝説を象徴する名場面の一つ。
◆ まとめ
| 項目 | 解説 |
|---|---|
| 名前 | ベディヴィア(Bedivere/Bedwyr) |
| 役割 | アーサー王の忠臣、円卓の騎士、エクスカリバー返還者 |
| 象徴 | 忠義・試練・物語の終焉と継承 |
| 神話的位置付け | アーサー王伝説の「終幕の証人」 |
ベディヴィアは、最も派手な騎士ではありませんが、物語の最終章において最も重要な人物の一人です。彼の忠義と苦悩は、人間の良心と選択の重みを物語ります。

