モラクス(Morax)は、『ソロモンの小さな鍵(レメゲトン)』の第一部「ゴエティア」に記されたソロモン72柱の悪魔の一柱です。彼は知識を授ける悪魔として知られ、占星術や薬学、錬金術に関する深い知識を召喚者に与えます。さらに、彼は召喚者が忠実な使い魔や霊的な存在を得る手助けも行います。
基本情報
- 名前:モラクス(Morax)
- 別名:Foraii、Forfax
- 位階:伯爵(Earl)および総裁(President)
- 序列:21番目
- 支配する軍団:36の軍団を統率
- 出現の姿:雄牛の頭を持つ人間の姿
名前の由来
「モラクス」という名前は、ラテン語やヘブライ語に由来している可能性があります。
- 一部の研究者は、「モラクス」という名前が**カルタゴの神「モロク(Moloch)」**と関連があると考えています。
- モロクは、子供の生贄を要求する恐ろしい神として知られていますが、モラクス自身の性質とは必ずしも一致しません。
- また、「Foraii」や「Forfax」という別名は、異なる魔術書や地方の伝承で見られる呼称です。
外見の描写
モラクスはしばしば雄牛の頭を持つ人間の姿で現れるとされています。
- 雄牛の頭:
- 雄牛は力強さや頑固さ、そして古代の豊穣神を象徴しています。
- モラクスの知識の深さや精神的な強さを象徴しているとも言われます。
- 人間の身体:
- 人間の体は彼の理性的な性質を表しており、召喚者に対して知的な対話を行うことを示唆しています。
この獣と人間が融合した姿は、彼の両義的な性質を表現していると考えられます。
能力と役割
モラクスは特に知識の領域において卓越した力を持っており、召喚者に多大な恩恵を与えます。
1. 占星術と薬学の知識の授与
- モラクスは占星術や薬学、さらには錬金術に関する膨大な知識を召喚者に授けます。
- これにより、召喚者は薬草や鉱石の使い方、天体の運行を読み解く技術を習得できます。
2. 召喚者への賢明な助言
- 彼は重要な決断を下す際に、知的かつ賢明な助言を提供します。
- モラクスの助言は非常に実用的であり、人生の複雑な問題を解決するための洞察を与えます。
3. 忠実な使い魔の提供
- モラクスは召喚者に使い魔や霊的存在を授けることができます。
- これらの使い魔は、召喚者の指示に従い、さまざまな任務を遂行します。
4. 倫理と道徳の知識
- モラクスは単なる知識の提供者にとどまらず、倫理的・道徳的な洞察を授けるともされています。
- 彼は人間の行動の善悪を見極める力を高めることで、召喚者の精神的成長を促します。
召喚と儀式
モラクスを召喚する際には、特定の儀式と注意事項が必要です。
召喚の目的
- 学術的な知識を得たい者
- 薬草や鉱石に関する理解を深めたい者
- 未来の運命や星の影響を知りたい者
- 精神的成長や自己理解を求める者
儀式の手順
- 召喚陣とシジルを描く
- 乳香やミルラを焚き、精神を集中させる
- モラクスの名を唱え、彼を呼び出す
- モラクスが現れた際には、敬意を持って質問をする
注意点
- 誠実な態度で臨むことが重要です。
- モラクスは知識の悪用を嫌うため、悪意のある目的で召喚すると災厄を招く可能性があります。
関連する神話・伝承
モラクスの姿や性質は、いくつかの神話や伝説と関連しています。
- ミノタウロス:ギリシャ神話に登場する牛頭の怪物であり、モラクスの姿と類似しています。
- バアル:古代中東の豊穣神で、牛を神聖視していた点で共通しています。
- モロク:カルタゴの神モロクとモラクスはしばしば混同されますが、性質は異なります。
文化的な影響
モラクスは現代のフィクション作品にも影響を与えています。
- ゲーム:『女神転生』シリーズや『Fate』シリーズなどで、悪魔や使い魔として登場します。
- 文学:オカルト小説やファンタジー作品では、知識を司る存在として描かれています。
- 映画・ドラマ:悪魔召喚や古代の儀式に関連する作品でモラクスの名前が使われることもあります。
まとめ
モラクスは、
- ソロモン72柱の中で21番目に位置する悪魔
- **伯爵(Earl)および総裁(President)**の位階を持ち、36の軍団を率いる
- 占星術や薬学、錬金術の知識を授ける
- 未来を見通す助言を与える
- 忠実な使い魔を召喚者に提供する
- 倫理的・道徳的な洞察をもたらす
正しい目的を持ってモラクスを召喚した場合、彼はその深い知恵をもって召喚者を導き、人生を豊かにするための知識を与えてくれるでしょう。

