ペレウス(Peleus)は、ギリシャ神話に登場する有名な英雄で、アイアコスの息子、そして最強の戦士アキレウスの父として知られています。
彼は数多くの冒険に関わる一方で、神々との深い関わりを持つ人物でもあります。特に、海の女神テティスとの結婚は、神話の中でも重要な出来事とされています。
1. 出自と家族
• 父: アイアコス(Aecus)
• 母: エンデイディア(Endeïs)
• 兄弟: テラモン(Telamon)
ペレウスは、エーギナ島の王であるアイアコスの息子として生まれました。彼の血筋は、ゼウスの曾孫にあたり、王族の中でも名門の出自を持っていました。
2. ペレウスの冒険と試練
◇ カリュドーンの猪狩り
• ペレウスは、有名なカリュドーンの猪狩りに参加した英雄の一人です。
• この猪は、女神アルテミスによって送り込まれ、英雄たちによる壮絶な狩りが行われました。
◇ アルゴナウタイの冒険
• ペレウスは、**アルゴナウタイ(アルゴ船の乗組員)**の一員として、金羊毛を求める冒険にも参加しました。
• イアソンを筆頭に、多くの英雄たちとともに航海したことで知られています。
3. テティスとの結婚
◇ 神々の恐れと予言
• 美しい海の女神テティスは、多くの神々に求婚されましたが、予言により「彼女の子は父を超える力を持つ」と告げられていました。
• このため、ゼウスやポセイドンは彼女との結婚を避け、代わりに人間のペレウスを彼女の夫に選びました。
◇ テティスを捕らえる試練
• テティスはペレウスとの結婚を拒み、彼を試すためにさまざまな姿に変身しました。
• 蛇、炎、水などに姿を変えましたが、ペレウスはそれに耐え、彼女を捕まえ続けました。
• その忍耐と勇気によって、彼はテティスの夫となることが許されたのです。
◇ 華やかな結婚式
• 二人の結婚式は、オリュンポスの神々が集う盛大なものでした。
• しかし、この結婚式に招かれなかった不和の女神エリスが「最も美しい女神へ」と書かれた黄金のリンゴを投げ入れたことで、女神たちの争いが始まりました。
• この出来事が後のトロイア戦争の発端となります。
4. アキレウスの誕生と育成
• ペレウスとテティスの間に生まれたのが、後にトロイア戦争の英雄となるアキレウスです。
• テティスは息子を不死にしようと考え、彼を冥界の川ステュクスに浸しました。
• しかし、彼のかかとだけが浸からなかったため、そこが唯一の弱点となりました(アキレス腱の由来)。
ペレウスは息子を育てるにあたり、ケンタウロスのケイロンに彼の教育を託しました。
ケイロンは医術や戦術、音楽など、多岐にわたる知識と技術をアキレウスに教えました。
5. 晩年と死
• ペレウスの晩年は悲劇的でした。
• 息子アキレウスがトロイア戦争で命を落としたことで、彼は深い悲しみに包まれました。
• テティスは夫を慰めるために海に姿を消しましたが、ペレウスは一人で息子の死を悼み続けたと言われています。
一説によれば、神々は彼をエーギナ島へ連れて行き、そこで彼は平穏な余生を送ったともされています。
6. ペレウスの象徴と意義
ペレウスは、人間の限界を受け入れつつも、勇気と忠誠を貫く英雄として描かれています。
彼の物語は以下のような教訓を示しています。
• 運命を受け入れることの重要性
彼は神々の計画に翻弄されながらも、与えられた運命を全うしました。
• 親の愛と葛藤
息子アキレウスへの愛情と彼の死に対する悲しみは、親子の絆を象徴しています。
• 人間の英雄性
神ではなく人間でありながら、数々の困難に立ち向かい、神話の中で大きな役割を果たしました。
7. 結論
ペレウスの物語は、ギリシャ神話における人間の運命と英雄の試練を象徴するものです。
彼の名前は、偉大な息子アキレウスの父としてだけでなく、神々との関わりや数々の冒険を通じて、ギリシャ神話の中に深く刻まれています。

